第4弾をやることになった経緯

変態まつりを第2弾・第3弾と続けてやって、自分の好きな作品を結構上映し尽くしてしまった感があり、手持ちの札がなくなってしまい、しばらく変態まつりをできないでいた。なぜかというと、手持ちを使ってしまったらその後手持ちの札が増えない、つまり新しい作品を観ても、「ぜひ、私が変態まつりで上映したい!」と思える作品になかなか出会えない、という事情があった。最近の自主制作映画に心動かされることが稀であり、8mmフィルムの現像サービスも終了してしまったりするし、もう時代は私を置いていってしまったのか、自主映画は変遷してしまったのか…、とも思っていた。

そんな状況の中で、私が新作をいつも心待ちにしているアニメーション作家・中村智道氏から「遂に新作が完成した」と連絡を受けた。中村氏は元々作品にのめり込む姿勢がハンパなく、持てる力をすべて使い、労力を厭わずやれることをすべてやり、精神をすり減らしながら作品に取り組む人で、今回の「天使モドキ」制作途中にも、打ちこむあまり無茶をしている情報は伝わってきていて、何年もの間、私は何もできないながらハラハラして、完成を待っていた。

というか、中村氏の新作が完成したら、私も滞っている変態まつりをやらなくては、と一つのきっかけとして、自分に課題を課していたのだった。その新作ができた。私の新作はないけれど変態まつりをやらなければ、と思った。

「天使モドキ」を観たところ、期待に違わない素晴らしい世界であった。まだ誰も分け入っていない道を、この人は切り開いている、と思った。私が見たことのないものをいつも提示してくれる人だ、と。日本で中村氏の新作を最初に上映するのは私だ、と思った。

というのも、中村氏は過去作品でバンクーバー国際映画祭やオーバーハウゼン国際短編映画祭に招待されたりと、実力も実績もある作家なのに、何故か日本の個人・実験映画の総本山/某IFから無視されていて(某IFFで入選歴もあるのに)、某IFFでの上映が実現しないのなら、という自負が、第2弾で中村氏の前作品「蟻」を上映したときにもあったのだった。この、某IFとの確執的というか私の一方的な思いは、次回にも続く。(小口)

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